「兄弟戦争」ドラフトの説明書

今回の記事ではリミテッド、特にドラフトにおいて注意したいことを書いていきます!リミテッドの中でもドラフトに重点を置いた内容になっているので、シールドの環境およびデッキの組み方とは違う視点になっている点には注意してください。

この記事では「兄弟戦争」のドラフト攻略を目標に、環境についてとアーキタイプについてを取り上げたいと思います。カード個別評価は別のページで行っているので、このページの末尾にリンクを記載しておきます。

メカニズム

この項目では「兄弟戦争」で採用されている4つのメカニズムについて掘り下げていきます。(公式の記事はこちら)また、「旧枠版アーティファクト」もパックに封入されているのでこちらについても触れていきます。

  • 「試作」
  • 「パワーストーン」
  • 「蘇生」
  • 「合体」
  • 「旧枠版アーティファクト」

試作

「試作」はアーティファクト・クリーチャーに付与された新しいキーワード能力です。(カードリストはこちらから)

あなたはこの呪文を、異なるマナ・コスト、色、サイズで唱えてもよい。
これは能力とタイプを保持する。

各試作カードは初期値である大きい値と試作能力の小さい値の2つの特性のうち、1つを選んで唱えることができます。パワー/タフネスのみに変動があり、キッカーに近い能力と言い換えることもできます。人によっては、分割カードや両面カードに近い能力だと感じるでしょう。

序盤にクリーチャーが必要な場合は「試作」として唱えて、後半にマナが十分用意できるようになってからは通常のコストで唱えるという使い方になるでしょう。

各色で見ると、白に3枚(U:1,R:2)、青に4枚(C:1,U:2,M:1)、黒に2枚(C:1,M:1)、赤に3枚(C:1、U:1、M:1)、緑に5枚(C:2,U:2,M:1)となっています。

表 試作を持つカードの分布

コモン アンコモン レア 神話レア
1 2
1 2 1
1 1
1 1 1
2 2 1

緑の試作品が最も多くなっており、アーキタイプとして特に青緑系デッキがランプになっていることが伺えます。

パワーストーン

「パワーストーン」はマナを供給するために使用できるトークンの新種です。(カードリストはこちらから)

T:(◇)を加える。このマナはアーティファクトでない呪文を唱えるためには支払えない。

パワーストーンはタップすることで1点の無色マナを生み出すことができるアーティファクト・トークンです。パワーストーンによって生成されたマナはアーティファクトでない呪文を唱えるためには使用できません。かなり制限されたマナ能力にも見えますが、アーティファクト呪文、起動型能力、誘発型能力、その他の支払コストと広範囲に使用することができます。

各色で見ると、白に4枚(C:1,U:3)、青に5枚(C:2,U:2,R:1)、黒に2枚(C:1,R:1)、赤に4枚(C:2、U:1、R:1)、緑に2枚(C:1,U:1)、多色に3枚(U:2,M:1)、無色に4枚(C:1,U:1,R:1,M:1)となっています。

表 パワーストーンを生成する呪文の分布

コモン アンコモン レア 神話レア
1 3
2 2 1
1 1
2 1 1
1 1
多色 1 1
無色 1 1 1 1

赤緑と青緑がパワーストーンを使ったアーキタイプでミッドレンジ~ランプデッキとされています。パワーストーンを使ったアーキタイプはどちらも緑が入っているので、緑を軸にパワーストーン系デッキを組みたいところです。緑でパワーストーンを生成できるのは2種類ですが、その内、緑のアンコモン《ファラジの発掘》はアンプレイアブルよりのカードです。

残りのコモン《アルゴスの日和見主義者》は非常に使いやすいカードになっています。また、アーティファクトを生成するため緑白のアーティファクト上陸ともシナジーを発揮します。よって、《アルゴスの日和見主義者》は取り合いになることが予想されるので、このカードの点数は高めにみて早めにピックする必要がありそうです。また、色が空いていることを表すサインとしての役割となることでしょう。

蘇生

「蘇生」はアラーラの断片ブロックで登場したメカニズムで、今回再び採用されることになりました。(カードリストはこちらから)

あなたの墓地にあるこのカードを戦場に戻す。これは速攻を得る。次の終了ステップの開始時に、またはこれが戦場を離れるなら、これを追放する。蘇生はソーサリーとしてのみ行う。

「兄弟戦争」ではアーティファクト・クリーチャーに「蘇生」のキーワード能力が割り当てられています。「蘇生」は墓地からソーサリータイミングで起動することができ、速攻を持つ状態で戦場に戻し、終了ステップに追放されます。一時的に攻撃クリーチャーを増やせる攻撃的な能力になっています。

無色のアーティファクト・クリーチャーの蘇生する起動コストに色マナが使用されているカードがほとんでです。各色で見ると、白に4枚(C:2,U:1,M:1)、青に2枚(C:1,R:1)、黒に2枚(C:1,U:1)、赤に5枚(C:2,U:2,R:1)、緑に3枚(U:1,R:2)、多色に1枚(R:1)、無色に2枚(U:1,M:1)となっています。

表 蘇生を持つ呪文の分布

コモン アンコモン レア 神話レア
2 1 1
1 1
1 1
2 2 1
1 2
多色 1
無色 1 1

白赤の「蘇生」の枚数は多くなっていて、攻撃的アグロのアーキタイプであることが分かります。

合体

合体は特定の2枚のカードを1つの巨大なパーマネントに変身させます。イニストラードを覆う影ブロックの異界月で収録されたメカニズムの再録になります。

「兄弟戦争」には合体する組みが3組あり、それぞれウルザ、ミシュラ、ティタニアになります。

合体できるカードの片方のカードには合体させる方法が記載されています。合体させるにはカードのオーナーであり、トークンでないことが求められます。

それぞれのカードがレア以上になっているため、リミテッドで「合体」できることはほとんどないでしょう。

旧枠版アーティファクト、設計図

「兄弟戦争」が勃発したのが古代のこと…というフレーバーであり、各パックにマジックの歴史の一端であるアーティファクトカードが収録されています。

出典:mtg-jp

過去のアーティファクトから全63種類のカードが旧枠で登場します。旧枠版アーティファクトはアンコモン13種類、レア30種類、神話レア15種類という内訳になっています。(カードリストはこちらから)

アーティファクトであり、無色のカードのみが収録されているので、どのカラーのデッキでも採用できる可能性があるのが大きな特徴となるでしょう。

特に注目されている旧枠アーティファクトカードは《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》です。非常に強力なカードでボムレア級のカードパワーがあります。

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環境について

この項目ではアーキタイプごとの強さの目安や、「兄弟戦争」のリミテッド環境について考察していきます。

飛行について

飛行を持つクリーチャーは白に5枚(C:3,U:1,R:1)、青に6枚(C:3,U:2,R:1)、黒に2枚(C:1,U:1)、赤に1枚(R:1)、緑に0枚、多色に1枚(R:1)、無色に2枚(C:1,U:1,R:2)が収録されています。

表 飛行を持つクリーチャー

コモン アンコモン レア 神話レア
3 3 3
3 2 1
1 1
1
多色 1
無色 1 1 2

環境理解のために飛行を持つコモンのクリーチャーを確認していきます。(カードリストはこちらから)

 

白のコモンで飛行を持つクリーチャーは《飛空士の騎兵部隊》、《空輸する従軍牧師》、《待ち伏せの降下兵》の3枚。

 

青のコモンで飛行を持つクリーチャーは《空挺司令官》、《コイロスのロック鳥》、《翼の猛士》の3枚。

 

 

 

黒のコモンで飛行を持つクリーチャーは《屍肉蝗》の1枚。

 

 

 

無色のコモンで飛行を持つクリーチャーは《速歯車のドレイク》の1枚。

到達について

飛行を持つクリーチャーは赤に1枚(C:1)、緑に3枚(C:2,M:1)、多色に1枚(U:1)、無色に2枚(C:1,R:1)が収録されています。

表 到達を持つクリーチャー

コモン アンコモン レア 神話レア
1
2 1
多色 1
無色 1 1

環境理解のために到達を持つコモンのクリーチャーを確認していきます。(カードリストはこちらから)

 

 

 

赤のコモンで飛行を持つクリーチャーは《ロック鳥狩り》の1枚。

到達持ちではありますが、2マナ3/1のスタッツなので防御というよりは攻撃に偏った性能をしています。

 

 

緑のコモンで飛行を持つクリーチャーは《溜め込むイトグモ》、《錆ゴライアス》の2枚。

緑のコモンには守備的な達持ちのクリーチャーになっています。《溜め込むイトグモ》はタフネスが3と高くはないので、4マナのブロッカーとして使うには今一歩足りない性能をしています。

 

 

 

無色のコモンでは《塔の作業員》の1枚。

コモンの到達持ちクリーチャーには《飛空士の騎兵部隊》を一方的に打ち取れるパワー4以上がいないため、《飛空士の騎兵部隊》の評価は1段階上げてもよいでしょう。

多色化するためのマナサポート

「兄弟戦争」では前回の「団結のドミナリア」のように多色化が推奨されるような環境にはなっていません。タップイン2色土地は収録されておらず、土地の面で見ると多色化できる土地は限られます。

レアの土地に関しては「団結のドミナリア」に収録されたダメージランドの残りである4種類のダメランに加えて、白青の部族土地が収録されています。また、コモンのカードでは《進化する未開地》のみとなっています。

 

 

マナサポートできるクリーチャーも数が限られています。マナクリとしては《ガイアの眼、グウェナ》と《死花の祭儀師》の2枚が収録されていますが、どちらもレアであり再現性の高いデッキにすることは難しいです。

 

 

 

無色の色マナサポートができるカードは《エネルギー屈折体》のみになっています。《エネルギー屈折体》はセカンドドローの条件も達成しますし、これ自身がアーティファクトでもあります。シナジーを活用できる青黒や赤黒のようなデッキではボムをタッチするためにこのカードの採用を検討する必要があるでしょう。

上記で挙げたように色マナサポートはかなり手薄になっています。《進化する未開地》と《エネルギー屈折体》はタッチには重要です。よって、《進化する未開地》と《エネルギー屈折体》はピックの段階から、多色化を検討する場合には点数を上げてピックする必要があるので留意しておいてください。今回の「兄弟戦争」で3色以上の多色化をする場合はよく考えて色をタッチする必要があります。

アーキタイプ

各2色の組み合わせはこちら。(公式の記事はこちらから)

白青:兵士
青黒:セカンドドロー
黒赤:蘇生と生け贄
赤緑:パワーストーン・ミッドレンジ・ランプ
緑白:アーティファクト上陸
白黒:コスト3以下
青赤:非クリーチャー・呪文
黒緑:墓地
赤白:蘇生アグロ
緑青:パワーストーン・大型ランク

それぞれの2色の組み合わせにはアーキタイプの指針となるクリーチャーがサイクルとして存在します。

多色のカードは各組合せに1種類のみで、アーキタイプにシナジーのある他のカードは少なめになっている印象を受けます。

白青:兵士

クリーチャー・タイプの兵士をテーマにしたアーキタイプ。(兵士のカードリストはこちらから)

コモンの兵士は白に6枚、青に3枚収録されていて、白青でデッキを組むと兵士を多数採用したデッキとすることができます。

多色のカードとして《ヨーティアの戦術家》がおり、4マナ3/4とスタッツもよく、兵士に+1/+1修正を与えるロード能力も持っています。白青のアーキタイプを組む場合は確保しておきたいカードになっています。

《ヨーティアの戦術家》は非常に強力なカードなのですが、他に兵士シナジーを持つカードは僅かです。そのため、《ヨーティアの戦術家》やボムレアから入って、白青に色を決定するという流れが主体になってきそうです。

また、「兄弟戦争」には白で全体修正を与えられるソーサリー・インスタントが収録されていないので、横並べでフィニッシュすることが難しい場面もあり、飛行の重要性を後押ししています。そのため、地上を止めて空から殴るという牧歌的な戦略を取る必要が出てきます。

飛行を持つクリーチャーとして確保しておく必要があるのが《飛空士の騎兵部隊》です。飛行に加えて、他の兵士に+1/+1カウンターを置くことができる数少ない兵士シナジーのあるカードでもあります。5マナ3/4飛行とスタッツもよいです。

 

 

白青カラーのコンボとして、《第三の道のロラン》と《巨体変異》で墓地にあるアーティファクトを無限に回収できるようになります。手順は以下の通り。

  1. 《第三の道のロラン》を戦場に出す
  2. 《巨体変異》を《第三の道のロラン》のコピーとして戦場に出す
  3. レジェンダリールールで《第三の道のロラン》のコピーとなった《巨体変異》を墓地へ送る
  4. 《第三の道のロラン》とコピーされた《第三の道のロラン》の効果で《巨体変異》とアーティファクト1枚を墓地から手札に戻せる

青黒:セカンドドロー

2枚目のカードを引くことでシナジーを得ることができるコントロールよりのアーキタイプ。

2枚目のカードを引くためにはドロー呪文を唱えるか、起動型能力を使用するなどマナを支払ってアクションを取る必要があるため、条件達成が比較的難しくなっています。

青黒カラーのマルチのアンコモンは《統合の福音者》。本人にもルーティング能力でセカンドドローを誘発させることができ、条件を達成すると+1/+0修正と威迫を得ることができます。良好なスタッツとルーティング能力のシナジーがあって何枚取ってもよいクリーチャーとなっています。

 

《喉鳴らしの選定者》は2枚目のカードを引くたびに+1/+1カウンターを置くことができる飛行持ちクリーチャー。青黒で一番強く使うことができます。《統合の福音者》か《喉鳴らしの選定者》を青黒アーキタイプのサインとして受け取って、青黒に入っていくことになりそうです。

セカンドドローの条件下では、《塹壕の忍び寄り》は5マナ4/5接死、絆魂の強力なクリーチャーになるので抑えておきましょう。《飛び立ち》は飛行の付与と攻撃時にカードを1枚引くことができる能力を与えるオーラでセカンドドローとシナジーがあります。特に、《塹壕の忍び寄り》は《飛び立ち》との相性が素晴らしく、5/5接死、絆魂、飛行、攻撃時にカードを1枚引くという強力なフィニッシャーになります。

黒赤:蘇生と生け贄

ーマネント、特にクリーチャー、アーティファクトを生け贄にすることでシナジーを得るアーキタイプ。蘇生との相性もよく、攻撃的なカラーです。

相手のクリーチャーのコントロールを奪取してパワーストーンを生成する《拮抗する兄弟》は赤黒のカラーに合ったカードになっています。

 

コモンの《ペンレゴンの剛牛》と《トラクス魔》はアーティファクトを生け贄に捧げることができるサクり台として活躍できるので、黒赤のアーキタイプに進む場合はピックしておきたいです。《ペンレゴンの剛牛》は生け贄に捧げることで、+1/+1修正と対戦相手に1点のダメージを与えることができるので詰め性能が高いクリーチャーです。《トラクス魔》は生け贄に捧げることでドローすることができるのでマナフラッドに強いクリーチャーで、蘇生との相性が特によいです。

《拮抗する兄弟》と組み合わせることでパクリファイスが可能なので、この組み合わせは狙っていきたいシナジーになります。

赤緑:ミッドレンジ・ランプ

赤と緑はマナ加速のカラー。

青緑カラーとランプ戦略でかぶっていますが、赤緑では火力呪文が使えるため中盤を除去で凌ぎやすくなっています。

コモンの試作クリーチャーをマナカーブの頂点にデッキを組むとカードパワーが低くなりそう。

緑白:アーティファクト上陸

アーティファクトが戦場に出ることでシナジーがあるアーキタイプ。

《ヨーティアの造反者》のようにアーティファクトが戦場に出るたびにメリットがあるクリーチャーを使って攻めるデッキです。

 

 

《飛行機械の設計家》はアーティファクトが戦場に出るたびに飛行を与えることができるカードです。蘇生とも相性がよくデッキに1枚は欲しいカードです。《大砂漠探鉱者》は自クリーチャー分のパワーストーンを生成できるカードなので、アーティファクト上陸を多数誘発させることができます。この《飛行機械の設計家》と《大砂漠探鉱者》を合わせると自軍全体に飛行付与ができる強力なコンボになりますので、ピック段階でも意識しておきたいです。

白黒:マナコスト3以下

蘇生ともシナジーのあるアーキタイプで墓地から戦場に出すことを得意としています。

 

青赤:非クリーチャー・呪文

クリーチャーでない呪文によってシナジーのあるアーキタイプ。

 

黒緑:墓地利用

黒と緑は墓地を中心に活用することができるアーキタイプ。

 

赤白:蘇生アグロ

蘇生を活用することで攻撃的に相手を圧倒するアーキタイプ。

序盤から中盤は蘇生持ちを相打ちさせ、後半は相打ちして墓地に落ちた蘇生持ちを戦場に戻して攻め続ける戦略になります。

蘇生持ちを活かすために生け贄に捧げる能力持ちも確保しておくとよいです。

緑青:パワーストーン・大型ランプ

赤緑同様に緑青もパワーストーンでマナ加速して試作を活用するカラーのアーキタイプ。

 

コンバットトリック

この項目では戦闘で重要となってくるコンバットトリックについてまとめていきます。

 

 

 

  • 《ロランの脱出》
  • 《軍事規律》
  • 《待ち伏せの降下兵》
  • 《手厳しい反撃》
  • 《解呪》
  • 《第三の道の機構》

 

 

 

  • 《機械力》
  • 《微風の歩哨》
  • 《情報収集》
  • 《厳しい授業》
  • 《コイロスのロック鳥》
  • 《同調解除》
  • 《知識の流れ》

カウンターは3枚収録されています。

 

  • 《散乱光》
  • 《組立分解》
  • 《ウルザの拒絶》

 

 

 

 

 

  • 《アシュノッドの介入》
  • 《見栄え損ない》
  • 《喉首狙い》
  • 《抵抗の時》
  • 《やり場のない悔恨》

 

  • 《旋回斬り》
  • 《ミシュラの猛攻》
  • 《代償破》
  • 《拡散砲》

 

  • 《巨大化》
  • 《ガイアの贈り物》
  • 《戦の霧》
  • 《タウノスの修繕》

 

 

  • 《ゴブリンの焼夷弾》
  • 《物資投下》

まとめ

ここまで記事を読んで頂いてありがとうございました。この記事がお役に立ったのであれば幸いです。

カードの個別評価は下記のリンクからどうぞ。

 

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