《止められぬ巨大戦車、グラーツ》が能力を失ったらどうなる?

この記事では《止められぬ巨大戦車、グラーツ》が能力を失ったらどういった挙動を取るのかを備忘録として残しておきます。

筆者はジャッジではないので、ルールに関して間違っていたらコメント頂けると助かります。

《止められぬ巨大戦車、グラーツ》について

 

《止められぬ巨大戦車、グラーツ》は8マナ7/5の伝説の巨大戦車であるクリーチャーです。そして3つの能力を持ったクリーチャーになります。

 

《グラーツ》の3つの能力
  1. 巨大戦車は可能なら攻撃する能力
  2. 巨大戦車は壁にはブロックされない能力
  3. クリーチャーを巨大戦車とし5/3になるという能力

 

twitter上では下記の主旨のツイートが話題となりました。

《止められぬ巨大戦車、グラーツ》が《裏切りの棘、ヴラスカ》の能力で宝物になったらどのような挙動になるでしょうか。
出典:twitter

 

一見、《裏切りの棘、ヴラスカ》の能力で宝物になったらすべての能力を失うように思えますが、実際の挙動はそうではありません。バグではありませんので安心して下記を読み進めてください。

 

 

挙動としては上記の画像のようになります。3番目の能力だけを持った宝物になります。

なぜこのような挙動になるのかを次の項目からは追っていきたいと思います。

 

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能力を失った《止められぬ巨大戦車、グラーツ》の挙動

MTGには能力を適用する際に、どのような順番で適用していくか決める適用順が定まっており「種類別」とも呼ばれます。

 

継続的効果は、以下の7つの「種類別」に分類され、この順番通りに適用されます。

第1種:コピー可能な値を変更する効果
第2種:コントロール変更効果(例:支配魔法/Control Magic)
第3種:文章変更効果(例:幻覚/Mind Bend)
第4種:カード・タイプ・サブタイプ・特殊タイプ変更効果(例:自然の類似/Natural Affinity)
第5種:色変更効果(例:純粋の色/Purelace)
第6種:能力追加効果、キーワード・カウンター、能力除去効果、能力を持つことを禁止する効果(例:勇気の元型/Archetype of Courage)
第7種:パワー・タフネス変更効果

出典:MTG Wiki

基本的にはこれらの順番に適用すれば問題無く処理できる局面が多いです。今回の挙動は一種の例外と考えてもよいでしょう。

 

次に《止められぬ巨大戦車、グラーツ》の能力を確認してみましょう。

 

 

巨大戦車は可能なら攻撃する能力(第6種)と巨大戦車は壁にはブロックされない能力(第6種)は《裏切りの棘、ヴラスカ》の能力除去効果(第4+6種)によって能力を失うことは直観的ですね。

 

問題はクリーチャーを巨大戦車とし5/3になるという能力(第4+7種)です。これは「第4種:巨大戦車になる」と「第7種:5/3になる」に分類される能力が同居しています。

このような2つ以上の種類別を持つ効果が適用されはじめた場合、この効果を生み出している能力が途中で失われたとしても、その能力からの効果はそれぞれの種類別で適用されるというルールになっています。(CR:613.6)

そのため「第4種:巨大戦車になる」が適用され始めると、《裏切りの棘、ヴラスカ》の能力除去効果(第4+6種)があったとしても、「第7種:5/3になる」は適用されるということになります。

 

 

上記のようなルールによって無事にMTGアリーナと同様の挙動を取ることが確認できました。最終的には「クリーチャーを巨大戦車とし5/3になるという能力」のみを持つ宝物になります。

 

《グラーツ》の3つの能力の行方
  1. 巨大戦車は可能なら攻撃する能力 → 能力を失う
  2. 巨大戦車は壁にはブロックされない能力 → 能力を失う
  3. クリーチャーを巨大戦車とし5/3になるという能力 →能力は適用される

 

今回のケースは「種類別」についてと「種類別」の細則の理解が必要になる問題でした。ちょっと難しい内容になっていましたね。

 

まとめ

この記事では《止められぬ巨大戦車、グラーツ》が能力を失ったらどういった挙動を取るかを紹介しました。

今回のケースではかなり細かいルールを覚えておかないといけないので、ゲームのプレイ中にこの問題が起きてしまうと混乱してしまいそうです。

 

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