最近話題のChatGPTで遊んでみたので記事にしてみました。
ちなみに、この記事タイトルの原案もChatGPTに考えてもらいました。
AIに支配される時期は近い……
この記事の目次
ChatGPTとは
ChatGPTはOpenAIが2022年11月に公開した人工知能チャットボットです。
一般的な質問に対してはかなり正確に回答を返してくれるという印象を持ちました。
その中でも、得意・苦手分野は以下のような内容です。
- 既知の質問への回答
- プログラミング
- 文章作成
- 未知の質問への回答
- 感情・芸術
- 計算
ChatGPTは英語で質問した方が精度の高い回答が返ってくると言われています。学習データの多くが英語のデータベースとなっているためです。
マジック:ザ・ギャザリングはアメリカ製のトレーディングカードゲームです。そのため、英語圏のデータの収集が容易であり、遊戯王やポケモンカードよりも回答の精度が比較的高いと思われるので、ChatGPTを試すにはいい対象になっていると思います。
最新データは2021年9月の「イニストラード:真夜中の狩り」
ChatGPTは現在、2021年9月までのデータしか入っていませんので、最近の新しいカードの情報は入っていません。ChatGPT内の最新セットは「イニストラード:真夜中の狩り」になっています。
「アブザンパルヘリオン」についてといった質問も《大牙勢団の総長、脂牙/Greasefang, Okiba Boss》がデータにないため、きちんとした回答は返ってきません。
ChatGPTの基本的な仕様を理解しておくことも必要ですね。
ChatGPTは《渦まく知識/Brainstorm》が得意
ブログのネタについてはいつも困っている私ですが、こんな悩みもChatGPTに聞けば解決しそうです。
以下のような質問をしてみます。
マジックザギャザリングのブログについてです。
人気になりそうな記事タイトルを10個教えてください。
返答は下記のようになりました。
以下は、マジックザギャザリングのブログで人気になりそうな記事タイトルの例です。
「最新セットのカード分析:これから注目すべきカードは?」
「マジックの基本を徹底解説:初心者でもわかるプレイのコツ」
「世界大会で活躍したプレイヤーに聞く、勝つための秘訣とは?」
「マジックの世界観に迫る:ストーリーとキャラクターの魅力」
「新しいフォーマットの紹介:遊び方やデッキ構築のコツを解説」
「人気デッキのレシピ紹介:勝率アップにつながるテクニックとは?」
「カードの相場予想:今後値上がりしそうなカードとは?」
「海外のプレイヤーにインタビュー:マジック文化の違いや注目カードについて聞く」
「マジックの歴史に迫る:過去のセットや大会の振り返り」
「マジックアリーナの攻略法:勝率アップのためのプレイのポイント」
かなりしっかりとした回答をしてくれました。
当ブログではインタビュー記事は書いたことがなかったので、面白い試みだと思いました。
人間だと瞬時に思いつく内容には限りがありますが、ChatGPTはそれを列挙してくれるので、ブレストに使うには非常に便利そうです。
ChatGPTはマジック:ザ・ギャザリングでいえば、おそらく青のプレインズウォーカーですね。
ChatGPTはこれらのような一般的な質問に対して、具体例を出すことが非常に得意なように感じます。
最新セットのカード分析をしてもらう
ChatGPTは人気になりそうなブログ記事に「最新セットのカード分析」を挙げてくれました。
なので、実際にカードの分析をChatGPTにお願いしてみましょう。
次のセットである「機械兵団の進軍」から《希望の標、チャンドラ》の分析をお願いしてみます。
マジック:ザ・ギャザリングの質問です。以下のカードの分析をお願いします。
(略)
返答は下記のようになりました。
Chandra, Hope's Beaconは、マジック:ザ・ギャザリングの強力なレジェンド・プレインズウォーカーのカードです。
まず、このカードの最初の能力は、あなたがインスタントかソーサリー呪文を唱えるたびに、それをコピーし、新しいターゲットを選ぶことができます。この能力は1ターンにつき1回しか発動しませんが、スペルを多く唱えるスタイルのデッキには大きな追加価値をもたらすことができます。
次に、+2の能力は、どの色のマナでも2点を加えることができます。これにより、マナを増やしてゲームの初めから大きなスペルを唱えることができるようになります。
+1の能力は、カードアドバンテージを獲得するエンジンであり、あなたのライブラリーの一番上から5枚のカードを追放し、それらの中からインスタントかソーサリー呪文を1つ選んで次のターンの終わりまでに唱えることができます。これにより、勝利に必要な呪文を探すことができます。
最後に、-Xの能力は、最大2つのターゲットにXダメージを与えることができます。これにより、ボードをクリアしたり、相手に直接ダメージを与えたりすることができます。
全体的に、Chandra, Hope's Beaconは多様で強力なカードであり、多くの異なるタイプのデッキに合わせることができます。その能力はスペルスリンガー戦略と相性が良いですが、マナを生成しダメージを与える能力は、どの赤色を基調とするデッキにも素晴らしい追加になります。
能力の説明の繰り返しになっている部分が多いですが、すごく一般的な返しをしてくれているように思います。
この出力してもらった文章はドラフトとしてはちょうどいいと思うので、これを下書きにして書きたいことを肉付けしていくとスムーズに分析記事を書けそうです。
ChatGPTに確率を計算してもらう
もっと詳しい能力の分析として、ChatGPTに確率計算をさせてみたいと思います。
《希望の標、チャンドラ》の2番目の忠誠度能力について質問をしていきたいと思います。
《希望の標、チャンドラ》2番目の忠誠度能力は以下のようになっています。
[+1]:あなたがライブラリーの一番上にあるカード5枚を追放する。次のあなたのターンの終了時まで、それらの追放されているカードの中からインスタントやソーサリーである呪文1つを唱えてもよい。
この能力が成功する確率はデッキの中に含まれるインスタントやソーサリーの数によって異なります。
それでは以下のように質問してみましょう。今回の質問は簡潔にするためにインスタント&ソーサリー呪文の枚数は16枚に指定してみます。
マジック:ザ・ギャザリングの質問です。
60枚のデッキに16枚のインスタント&ソーサリー呪文が入っています。
60枚から5枚引いたときに少なくとも1枚がインスタント&ソーサリーである確率を教えてください
返答は下記のようになりました。
この問題は裏返し検定 (complementary counting) を使って解決できます。つまり、少なくとも1枚がインスタント&ソーサリーでないという状況を考え、それを60枚中のインスタント&ソーサリー以外のカードを引く確率として計算します。そして、1からその確率を引くことで、少なくとも1枚がインスタント&ソーサリーである確率を求めます。
まず、60枚のうち、インスタント&ソーサリー以外のカードは44枚です。最初に引くカードの枚数は5枚で、このうちインスタント&ソーサリー以外のカードを引く確率は以下のように計算できます。
44/60 × 43/59 × 42/58 × 41/57 × 40/56 ≈ 0.385
つまり、最初の5枚を引くときに、少なくとも1枚がインスタント&ソーサリーでない確率は約0.385です。これを1から引くと、少なくとも1枚がインスタント&ソーサリーである確率は以下のようになります。
1 - 0.385 ≈ 0.615
よって、60枚のデッキから5枚引いたときに、少なくとも1枚がインスタント&ソーサリーである確率は約0.615、つまり61.5%です。
「裏返し検定」という単語は聞いたことがありませんが、考え方としては意図したものを教えてくれています。ChatGPTはすごいです。
次に、インスタントやソーサリー以外を引く確率は(インスタントやソーサリー呪文でない組み合わせ)/(全体から5枚引いたときの組み合わせ)なので、 44C5 / 60C5 となり数式も正解です!
そしてその確率は0.385とそれっぽい数字を教えてくれています。
しかしながら、この数式を実際に計算してみるとその確率は0.199となります。
計算方法はあっているものの計算自体が間違っていて、惜しい!
現在のバージョンのChatGPTは計算が少し苦手なようです。
使用者(人間)が、ChatGPTの回答が正解かどうか分かるレベルの事前知識がなければならないということがこの事例から分かりました。
質問に対して間違った内容を出力することもあるので、鵜呑みにしてしまわないように注意が必要なようです。
メタゲームとデッキリスト
ChatGPTにメタゲームとデッキについて聞いてみましょう。これができるようになれば、AIがその時に最適なデッキリストを提出することができるようになるかもしれません。
それでは以下のように質問してみましょう。細かい日本語訳が難しいので英語でお願いしました。
マジック:ザ・ギャザリングについての質問です。
スタンダードのメタゲームを教えてください。英語でお願いします。
返答は下記のようになりました。
Sure, I'd be happy to provide an overview of the current Standard metagame in Magic: The Gathering!
The Standard metagame is constantly evolving, but as of my knowledge cutoff date (September 2021), the dominant decks in Standard were:
- Mono-White Aggro - This deck is focused on playing a bunch of cheap, efficient creatures like Selfless Savior and Luminarch Aspirant, then using them to overwhelm the opponent with damage.
- Sultai Ultimatum - A control deck that aims to survive until it can cast the powerful card "Emergent Ultimatum," which lets the player search their deck for three cards and put them into their hand or onto the battlefield.
- Temur Adventures - This deck is built around the "Adventures" mechanic, which allows certain creatures to have an adventure spell on the back of their card. By using these adventure spells to generate card advantage, the deck can build up a board presence and eventually overwhelm the opponent.
- Mono-Green Aggro - Similar to Mono-White Aggro, this deck is focused on playing cheap, efficient creatures like Pelt Collector and Swarm Shambler, then using them to quickly deal damage to the opponent.
- Jeskai Control - A control deck that uses a combination of counterspells, removal spells, and card draw to control the board and eventually win with a powerful finisher like Shark Typhoon or Torrential Gearhulk.
Of course, the metagame is always changing as new sets are released and old cards rotate out, so it's important to stay up-to-date with the latest developments in the Magic community.
白単アグロ、スゥルタイ根本原理、ティムールアドベンチャー、緑単アグロ、ジェスカイコントロールと若干違う気もしますが、当時のメタゲームを挙げてくれています。
次に、デッキリストを貰ってみましょう。
Mono-White Aggro のデッキリストをお願いします。
返答は下記のようになりました。
こちらが Mono-White Aggro の代表的なデッキリストです。
クリーチャー: (メインデッキが58枚しかない)
4 x Selfless Savior
4 x Usher of the Fallen
4 x Luminarch Aspirant
4 x Seasoned Hallowblade
4 x Luminarch Aspirant (8枚目の《光輝王の野心家》はNG)
4 x Skyclave Apparition
4 x Reidane, God of the Worthy (ランド枠も兼ねる)
2 x Elite Spellbinder
呪文:
4 x Maul of the Skyclaves
4 x Collected Company (《集合した中隊》はスタン外)
ランド:
4 x Faceless Haven
16 x Snow-Covered Plains
サイドボード:
2 x Baneslayer Angel
2 x Elite Spellbinder (6枚目の《精鋭呪文縛り》はNG)
2 x Drannith Magistrate
2 x Glass Casket
2 x Reidane, God of the Worthy (6枚目の《傑士の神、レーデイン》はNG)
2 x Basri's Lieutenant
3 x Rest in Peace (《安らかなる眠り》はスタン外)
それっぽいデッキリストをくれました!
ちょっと、レギュレーション違反なので修正していきます。この修正作業では何回かカードを変えてもらいました。ただ、メインボードとサイドボードの相関が上手く取れていないのか、サイドボードは上手く調整できませんでした。
下記の条件の元、再びデッキリストを作成してください。
メインデッキは60枚でお願いします。
同一カードは4枚までです。
Collected Company、Rest in Peaceは違うカードにしてください。
___
Skymall Skarrgan Hellkiteは赤いカードなので抜いてください
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Branchloft Pathway、Temple of Silence、Brightclimb PathwayはSnow-Covered Plainsにしてください
___
メインデッキは60枚にしてください
___
クリーチャーの枚数を2枚増やしてください
___
etc.
返答は下記のようになりました。
了解しました。以下が修正されたデッキリストになります。
クリーチャー:
4 x Selfless Savior
4 x Usher of the Fallen
4 x Luminarch Aspirant
4 x Seasoned Hallowblade
4 x Skyclave Apparition
4 x Reidane, God of the Worthy
2 x Elite Spellbinder
2 x Giant Killer
呪文:
4 x Maul of the Skyclaves
4 x Portable Hole
4 x Emeria's Call
ランド:
4 x Faceless Haven
16 x Snow-Covered Plains
サイドボード:
3 x Baneslayer Angel
3 x Glass Casket
2 x Drannith Magistrate
2 x Basri's Lieutenant
1 x Elite Spellbinder
1 x Reidane's Shieldmate (このカード名のカードはないぞ?)
1 x Legion Angel
1 x Skyclave Apparition (5枚目なのでNG)
何回か修正を加えて、かなり強そうなデッキがほぼほぼ完成です!!!
デッキの微調整という専門的なところはChatGPTの苦手とするところだと思うので、ここは人間の手が必要になりますね。
現在のChatGPTは2021年9月までの対応なので少し古いデータですが、最新のデータに対応できるようになればデッキリストを手軽に手に入れることができるようになりそうです。
まとめ
この記事ではマジック:ザ・ギャザリングとChatGPTについて触れました。
カードの分析やデッキリストの作成など、幅広いことをサポートしてくれるAIでした。使い方次第でまだまだ、応用が利くと思うので引き続き触っていきたいと思います。