この記事では2月28日(3月1日)に実装の「アルケミー:ファイレクシア」のカードレビューを行います。今回は色別に個別評価をしていきます。
「アルケミー:ファイレクシア」では30枚のカードが新しく追加されます。
公式のカードイメージギャラリーはこちら。
白
《造物師ガルマ/Ghalma the Shaper》
攻撃するたびに《鍛えられた鋼/Tempered Steel》を手札に創出するクリーチャー。さらに1/1のアーティファクト・クリーチャー・トークンも生成することができるので、《鍛えられた鋼》によって強化されると3/3相当を生成していることになります。
除去できずに攻撃を通せればゲームエンド級のカードです。1回攻撃できればほぼ仕事はこなしたものとみていいでしょう。戦場に残れば強力なカードですが、出たときに仕事はしないのでそれまでに処理されてしまうとテンポ損する可能性はあります。タフネスは3なので《波の巨人、クルシアス》と同様に《削剥》などの3点火力で落ちる点は考慮しておきたいポイントです。
《ケンバの装具役/Kemba’s Outfitter》
戦場に出たときに手札の装備品か、コントロールしている装備品に装備(1)を与えるカードです。スタッツも1マナ2/1と優秀です。
ヒストリック範囲では、《巨像の鎚/Colossus Hammer》のコストを軽減できれば、非常に強力に運用できます(参考:ハンマータイム)。アルケミーでは「アルケミーホライゾン:バルダーズ・ゲート」にて、近しい効果の《ベルト・オヴ・ジャイアント・ストレングス/Belt of Giant Strength》が収録されているので高速で10/10パンチという展開を見ることができるかもしれません。
《イラクサの宿主/Nettling Host》
毒性と堕落の両方を持つカードです。「堕落」達成時は墓地からこのカードを追放することで《イラクサ嚢胞/Nettlecyst》を手札に創出することができます。
本体は3マナ3/3と普通なので《イラクサ嚢胞》が本体と見たほうがいいかもしれません。《イラクサ嚢胞》はアーティファクト、エンチャントを参照するのでダニ・トークンと相性がよくなっています。《スクレルヴの巣》と合わせて使うと強力に使うことができそうです。
《ノーンのフェッチリング/Norn’s Fetchling》
こちらも毒性と堕落を持つカードです。戦場に出たときに《平地》を創出でき、「堕落」達成時は土地でないカードを代わりに抽出することができます。
スタンダードでは《野心的な農場労働者/Ambitious Farmhand》と同様の平地サーチカードになります。このカードは《平地》の「創出」なので白単に限らず、二色以上のミッドレンジ以降のデッキでも採用することができます。
青
《水銀の給仕/Quicksilver Servitor》
3マナ3/3、護法(2)とこのターン手札に加えられたカードを唱えるたび「増殖」を行う能力を持ちます。
コンボチックな挙動に活かせそうなカードなので自らを守る護法が付いているのは評価できる点だと思います。面白い能力を持っていますが、活用するのも難しい面がありそうです。
《外科的変異体/Surgical Metamorph》
開始プレイヤーでなければ3マナで唱えることができる《賢いなりすまし/Clever Impersonator》に近いクリーチャーです。
通常ではマナコストが4とやや重いのでアルケミーのフォーマットでは使い辛いかもしれません。
《テゼレットの報い/Tezzeret’s Reckoning》
ほとんど《予期/Anticipate》に近い能力を持つドロースペルです。
黒
《荒廃翼の幼体/Blightwing Whelp》
3マナ2/2飛行、毒性1。戦闘ダメージを与えるたびに、毒カウンターの数に等しいマナ総量のカード1枚を抽出します。1マナで速攻を得ることができるので実質4マナ2/2飛行相当にもなります。
《完成化への歩み/March Toward Perfection》
1マナのソーサリーで次のファイレクシアン・クリーチャーを唱えたときに、追加の+1/+1カウンターと接死カウンターが置かれた状態で戦場に出ます。また、呪文書からドラフトをすることができます。
《シェオルドレッドの同化者/Sheoldred’s Assimilator》
2マナ3/1の威迫持ちのクリーチャーで、戦場に出るか攻撃するたびに墓地のカードを追放し複製をライブラリーの上から5枚目に創出することができます。
アドバンテージを稼ぐ能力ではないので期待しすぎには注意が必要です。
赤
《呪い金の大鎚/Hexgold Sledge》
「ミラディンのために!」持ちの装備品。戦場に出たときに1マナのクリーチャーである《ゴブリンの小槌打ち》を創出して戦場に出せます。
1枚の3マナのカードから、パーマネントが3枚出るので何らかのコンボにも使えそうです。
《マグマの炎翼/Magmatic Scorchwing》
5マナ4/4飛行。戦場に出たときにライブラリーに基本でない土地がない場合、対象に3点のダメージを与えることができます。
リミテ番長感のあるカードです。
《ファイレクシアの収穫者/Phyrexian Harvester》
4マナ5/5威迫。ダメージを受けるたびそれに等しい土地でないカードを抽出し、次の終了ステップの開始時にそれらを捨てます。
赤単デッキでの採用が検討されるカードです。ダメージを受けなければいけない点に加えて、4マナ帯は競合も多いのであまり姿を見ることはないかもしれません。
緑
《結束した大口、ロスガ/Rothga, Bonded Engulfer》
4マナ4/4トランプル。次に唱えたクリーチャーに永久に+X/+Xの修正を与えます。Xはそれのパワーに等しいです。
アグロデッキで活躍が期待できるかもしれない1枚。
《ファイレクシア病の甲虫/Phyresis Roach》
1マナ1/1毒性1。戦闘ダメージを与えるたび、昆虫カードに毒性1を与えるカードです。
昆虫カードは現アルケミー環境には20枚ありますが、メタゲーム中で使われているカードはないのであまり活躍はできないかもしれません。
《繁殖繭/Spawning Pod》
3マナのアーティファクト。クリーチャーを生け贄に捧げることで、生け贄に捧げたクリーチャーのマナ総量に1を足したマナ総量のカードを抽出して戦場に出すことができます。
《出産の殻/Birthing Pod》に近い能力を持ちますが、《Spawning Pod》は任意のカードではなく抽出なので使い勝手は悪くなっています。モダンでも禁止に指定されたカードのリメイクカードなのでどれだけ活躍できるのかを期待したいカードです。
多色
《偽の黄金守護、アレック/Arek, False Goldwarden》
2マナ2/2。他のクリーチャーが戦場に出るたびに強度が上がっていきます。5マナと生け贄に捧げることでX点のドレインすることができます。
能力は豪快なものの起動コストがやや重いのがネック。
《刃砦の大鉈/Bladehold Cleaver》
「ミラディンのために!」を持つ装備品。4マナ4/4相当。装備クリーチャーが死亡するたび呪文書からドラフトできます。
《伝染病の分配機/Contagion Dispenser》
戦場に出たとき増殖を行います。増殖を行うたび、呪文書からドラフトすることができます。
《ダークスティールのハイドラ/Darksteel Hydra》
X個の油カウンターが置かれた状態で戦場に出て、油カウンターの2倍のパワータフネスを持ちます(4マナ2/2、5マナ4/4、6マナ6/6~)。戦場に出たときに《ダークスティールの鋳塊》、《ダークスティールの板金鎧》を手札に創出することができます。
油カウンターの2倍のパワータフネスになるので「増殖」とのシナジーがよく、+1/+1カウンターと比較すると2倍の効率があります。
《ぎらつく抽出機/Glistening Extractor》
油カウンターが4個置かれた状態で戦場に出ます。アップキープに油カウンターの数に等しいマナ総量のカード1枚を抽出します。その後、油カウンターを1個取り除きます。
4マナ→3マナ→2マナ→1マナ→0マナ→0マナとカードを抽出することができます。
《虐なる捕食者、ガイオクス/Gyox, Brutal Carnivora》
3マナ2/4。終了ステップにクリーチャーに油カウンター置く。油カウンターが置かれているトークンでないクリーチャーが死亡するたび、複製をX個創出し、追放する。Xは油カウンターの数に等しい。複製は永久に+X/+Xの修正を受け、創出した複製をライブラリーに加えます。
能力が非常にややこしいですが、死亡したクリーチャーの強化版をライブラリーに作るカードです。
《胆液の逸脱者/Ichor Aberration》
3マナ3/3飛行、防衛。パワーが7以上であれば攻撃できます。増殖を行うたび墓地か戦場にある場合永久に+1/+1修正を受け、墓地から唱えることもできます。
増殖を4回行うのはなかなか大変そうなので定期的に増殖を行うことができる《裏切りの棘、ヴラスカ/Vraska, Betrayal's Sting》のようなカードと組み合わせる必要がありそうです。
《革新的な変成家/Innovative Metatect》
アーティファクト・クリーチャーがプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、土地でない2マナ以下のカードを抽出できます。
軽量のアーティファクトの多い、ヒストリックのアゾリウス親和に採用される可能性がありそうです。
《メフィドロスのスライム/Mephidross Slime》
3マナ3/3トランプル。死亡したとき同カードを創出して墓地に置き、パワーとタフネスを倍にした後ライブラリーに加えます。
概ね3マナ6/6のカードがデッキに加えられるということになります。アグロ系デッキよりはミッドレンジ系のサクリファイスデッキで採用することができるでしょうか。
《水銀の細工人/Quicksilver Lapidary》
2マナ1/1。戦場にでたとき《オパールのモックス/Mox Opal》を手札に創出することができます。
《ディスプレイサーの仔猫/Displacer Kitten》と合わせると2枚での無限コンボになるので注目されている1枚です。
《煮えたぎる駆抜僧/Seething Skitter-Priest》
4マナ3/3、毒性1。戦場に出たとき戦場と手札のクリーチャーに死亡時にダニ・トークンを生成できる能力を付加します。
構築ではややパワー不足感が否めないクリーチャーでしょうか。
《頭蓋穿ちの虻/Skullpiercer Gnat》
2マナ1/1、飛行、毒性1。
戦闘ダメージを与えるたびに、手札のカードで土地でないカードを無作為に選び、この呪文を唱えたときに毒カウンターを与える能力を与えます。
《イチ=テキクの後継者、ヴェクシル/Vexyr, Ich-Tekik's Heir》
3マナ3/4。抽出するたび3/3のゴーレム・トークンを生成することができます。さらにゴーレムは警戒を得ます。
3マナのカードなので《審問官の隊長/Inquisitor Captain》との相性がよく、組み合わせれば地上の制圧は容易いでしょう。
無色
《ファイレクシアの屑鉄場/Phyrexian Scrapyard》
手札に同カードを創出する能力を持つ土地です。同カードを3枚生け贄にすることで《新たなるファイレクシアの魂》というカードを戦場に創出することができます。
まとめ
今回のアルケミー追加カードが活躍するのが楽しみですね!