この記事では「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~」を読んだ感想を書いていきます。
「本好きの下剋上」というタイトル自体は何度か目にしたことがありましたが長編ということで少し敬遠していました。
最近、書籍版が完結目前というのを目にしたのでこれを機に読んでみることにしました。
web版については2017年3月に完結済の作品になっています。全677話とかなり長めの小説ですね。
アニメは現在、3期まで放送されている人気作品です。
以下は小説の内容についてネタバレを多く含むため、苦手な方はブラウザバック推奨です。
あらすじと感想
タイトルの「下剋上」とは以下のような説明になります。
下の者が上の者に打ち勝って権力を手中にすること。
ニュアンスは少し違うかもしれませんが、本が好きな主人公が成り上がっていく物語ということですね。「下剋上」でイメージしやすい戦国時代のような血生臭くて物騒な感じではないので安心してください。
「小説家になろう」版のあらすじは下記のようになっています。
本が好きで、司書資格を取り、大学図書館への就職が決まっていたのに、大学卒業直後に死んでしまった麗乃。転生したのは、識字率が低くて本が少ない世界の兵士の娘。いくら読みたくても周りに本なんてあるはずない。本がないならどうする? 作ってしまえばいいじゃない。目指すは図書館司書! 本に囲まれて生きるため、本を作るところから始めよう。※最初の主人公の性格が最悪です。ある程度成長するまで、気分悪くなる恐れがあります。(R15は念のため)
主人公は本好きというよりは 取り憑かれているレベルで本に執着しています。本に関することであれば何でも構わないといった様子で、活字中毒ともいうのでしょうか。
そんな主人公が異世界転生した世界で本に囲まれた生活を手に入れるために試行錯誤、四苦八苦していく作品になります。
「知識チート」、「魔力チート」という要素も出てくるので、なろう系の王道展開を外していない作品だなと感じました。
本編では練り上げられた設定とストーリー展開で楽しく読むことができました。
web版は全677話あったので超長編となるため途中で挫折することになるかなと考えていましたが、途中退場することなく読み切ることができました。
途中退場しないためのアドバイス
序盤の主人公は情みたいなものはほとんどない性格、サバサバ系?で現代知識があるためか基本的には現地人を見下しています。
いきなり異世界に転生させられたらこうなるのかなぁと少し考えさせられます。
設定関連の中世の描写からも他のなろう小説とは少し異なってリアル志向が強いと感じました。
ここら辺はマンガ、アニメだとコミカルな描写になっていそうなので、印象は変わってくるかもしれません。
そのため、web版のあらすじにもありますが「最初の主人公の性格が最悪です。」というのは間違っていないと感じました。
序盤は読んでいてイライラすることもあると思います。「本好きの下剋上」のレビューでこのことで読むのをやめたという感想も見かけることがあるくらいです。
「第一部 兵士の娘」は閑話を含めて77話あるのですが、大体30話くらいまではイライラする性格が前面に出ているため我慢が必要かもしれません。
小説版だと第一部は三巻までとなっているので、丸々一巻を越えてくるかもしれません。
人によっては結構な分量で性格が悪い主人公を我慢しながら読む必要があるかと思います。
第一部も後半まで進むと「知識チート」が実ってくるなど、転生チートの要素が出てくるのでなろう読者が求めているであろう内容になってきます。
なので、そこまで読み進めることができれば面白く感じることができるようになると思います。
また、主人公の性格もずっと序盤のままではなく、転生後の世界の人々にも情を感じるようになってくるような変化があります。
このような主人公の心情の変化が丁寧にされているというのも、この小説が評価されている要因のひとつかもしれません。
まとめ
この記事では「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~」の感想を書いてみました。
練り上げられた設定とストーリー展開となっているので是非みなさんにも手に取ってもらいたいと思う小説でした。