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ゼンディカーの夜明けのリミテッドをアーキタイプで考える
ゼンディカーの夜明けのリミテッドではパーティ、キッカー、上陸の3つのメカニズムを中心に据えたデッキを組むとシナジーができ強力なデッキに仕上げることができます。
(公式記事はこちら)
特に、Bo1のプレミアドラフト向けに考察していきたいと思います。今回の環境ではしっかりシナジーのあるカードをピックしてアーキタイプとしての完成度を高めた方が勝ちやすいと考えたため、色を決める際のサインとなるカードをピックアップしています。
色の組み合わせごとに得意なメカニズムも変わってくるので今回は代表例を紹介していきます。デッキリストは17Lands.com/Recent Trophy Decksより参照しました。
総評
まずは結論から入ります。3段階の評価としてみました。(個人の感想です。)
Tier1
デッキとして組みやすいラクドスがトップTierです。コモン中心で組めるデッキなので多少上流下流とカラーが被っても問題ない点を高く評価しました。シミックはアンコモンをしっかりピックする必要がありますが、その分デッキを組めたときは安定感の高いデッキになるはずです。
Tier2
イゼット、ディミーア、オルゾフ、ボロス、グルールをTier2としました。きっちり色の棲み分けを行い、シナジーを強く組むことができればTier1に匹敵することも可能だと思います。
Tier3
Tier1と相対するにはボムレアをピックしておきたいカラーです。有力なレアをピックできたとき以外はあまり狙いたくないという印象です。
白青
メカニズムとしてはパーティ、上陸が該当する色の組み合わせです。
《エメリアの隊長》や《冒険の戦利品》のパーティ用のカードを強く使うことができます。ドラフトで《冒険の戦利品》が流れてくれば、上流が白青をやっていないサインと取ることもできます。
カード同士のシナジーがあまり強くないため、ボムレアが出たときを除き基本的にはおすすめしない色の組み合わです。
環境トップクラスのボムレアである《フェリダーの撤退》をピックすることができればこの色を目指してもよいと思います。Bo1ではサイドボードが無く、エンチャント破壊や《否認》の採用率も低くなるため《フェリダーの撤退》にはほぼ干渉できません。白の《遠見の達人》というドローを進めることができるクリーチャーに加えて、ドローの得意な青と組むことでボムレアに到達する確率を上げる構成とするのは有効です。
青黒
青黒は《遺跡ガニ》や《空飛ぶ思考盗み》を始めとするならず者で切削ができ、ライブラリーアウト戦術も視野に入れて戦うことができます。《秘宝のゴーレム》を最も有効に使うことができる色の組み合わせなので、流れてきたら確保しておきましょう。《秘宝のゴーレム》はサインと判断することもできます。
運よく組めれば強いアーキタイプですが、クリーチャーがあまり強くない色です。そのため除去も必要なので必要スロットが多く少し組みにくい印象です。
黒赤
赤黒はアグレッシブなビートダウンを得意としています。
2ターン目に戦士orならず者をプレイし、3ターン目に《献身的な電術師》からさらに2マナクリーチャーを展開するという流れが強力です。コモン中心でデッキを組んでもテンポで圧倒できるパターンもあり、レア・アンコモンに依存しにくいです。
《荒廃者の鎚鉾》は威迫に加えて、+2/+0修整程度を期待できる使いやすい装備品なのでサインになりうるカードです。
パーティと戦士系のシナジーを扱うことができ、色の組み合わせとしては除去も優秀なので一番組みやすいデッキです。
赤緑
《山火事の精霊》などの上陸を得意とするカラーです。《乱動の再成長》は上陸のサポートとマナ加速を兼ねるため是非ピックしたいカードです。
色的にはキッカーとパーティも扱えなくはないですが、他の色と比較すると今一つ落ちるところがあります。上陸だと《火吐きラガーク》を採用できますが、打点としてはいまひとつ。アドバンテージを稼ぐカードがないので《ジョラーガの幻想家》を採用することになりますが、パーティのシナジーとしては弱いためこちらも今一つ。弱くはないけど強くもないというデッキになりがちなアーキタイプの印象です。
緑白
《ムラーサの根食獣》や《乱動の成長》で上陸を強力にサポートするデッキです。《玉虫色の角甲虫》をピックできればカウンターのシナジーも期待できます。カラーとしてはアドバンテージを取るカードが少ない色の組み合わせなので長期戦は苦手な傾向にあります。
《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》と《マーフォークの鷹匠》が初手で並んでいても《マーフォークの鷹匠》を取る可能性もあります。緑白に行く決定打のあるレアも無いのであまりこのカラーに行くのはおすすめしません。
白黒
白黒のデッキはクレリックに特化することで強力なシナジーを生むアーキタイプです。
《コーの祝賀者》と《略奪する破戒僧》を揃えられれば、クリーチャーを出すだけでライフ差を広げていくことができます。コモン同士なので狙っていきたいシナジーです。また、《生命の絆の僧侶》からの《略奪する破戒僧》の流れは強力です。
《従者つきの癒し手》と《秘宝の薬瓶》は他のデッキには採用し辛いカードですがこのカラーでは自然に採用でき、組み合わせることができれば地上は鉄壁です。この2枚の組み合わせはアンコモン以下のレアリティでは環境でもトップクラスのシナジーでしょう。
青赤
ウィザード主体で組むパーティデッキです。《凍える罠》をキャントリップ付きコンバットトリックとして強く使えます。青のクリーチャーは飛行などの回避能力が優秀なもののスタッツが若干劣るので、相手の攻撃を妨げるスペルも重要になってきます。
《秘宝の護符》は青赤カラーでのみ有効に使えるのでサインとみていいでしょう。特にタフネスが1のクリーチャーに生存権を許さないので強力です。
黒緑
カウンターを使ったシナジーが狙えるデッキです。《ハグラの締めつけ蛇》で威迫を付与したり、《ナーリッドの群棲》でトランプルを付与するといったシナジーが期待できます。《隠然たる襲撃》を最も上手く使えるカラーです。カウンターはパーティ、上陸、キッカーと比べると目玉のメカニズムではないので一段シナジーは弱めです。
赤白
戦士を中心戦力にしたパーティデッキです。装備品も使いやすいです。
ロードである《カルガの戦導者》や《コーの刃使い》がデッキの中核になります。戦士、ウィザード、クレリック主体のパーティを組むこともできます。
青緑
青緑はキッカーを最も上手く使えるカラーです。
《蔦ヤモリ》からの《狡猾な泉魔導士》キッカーの流れが特に強力です。《狡猾な泉魔導士》は他のカラーではこのカードより取りたいカードも多いので比較的集めやすいのもポイントです。《ムラーサの発芽種》でスペルを使いまわしてアドバンテージを稼ぐこともできます。
《蔦ヤモリ》は青緑の特にキッカーのアーキタイプを組む上で重要なカードです。上流から流れてきたらサインと受けとっていいでしょう。
他の緑を含むカラーであるグルール、セレズニア、ゴルガリが若干シナジーに欠ける点がありデッキとしての強さが一段落ちるため、他のプレイヤーが緑を含むカラーに進みにくいです。その分サインとなるカードが流れてきやすいのもポイントかもしれません。ドラフト卓に1人で青緑に行くことができれば根こそぎ優秀なカードを取れる可能性もあります。
まとめ
ゼンディカーの夜明けもまだ始まったばかりなのでリミテッドも楽しんでいきましょう!感想などもTwitter等でお気軽にどうぞ!