今回の記事ではリミテッド、特にドラフトにおいて注意したいことを書いていきます!リミテッドの中でもドラフトに重点を置いた内容になっているので、シールドの環境およびデッキの組み方とは違う視点になっている点には注意してください。
この記事では「機械兵団の進軍」のドラフト攻略を目標に、メカニズムから始まり、環境についてとアーキタイプについてを取り上げたいと思います。
この記事の目次
メカニズム
この項目では「エルドレインの森」で採用されている4つのメカニズムについて掘り下げていきます。(公式の記事はこちらから)
- 役割・トークン
- 協約
- 祝祭
- 出来事
役割・トークン
「役割・トークン」は7種類のトークンで、いずれもエンチャント(クリーチャー)を持つオーラです。
それぞれの「役割・トークン」の能力は以下のようになっています。
呪われし者――エンチャントしているクリーチャーは基本のパワーとタフネスが1/1になる。
怪物――エンチャントしているクリーチャーは+1/+1の修整を受けトランプルを持つ。
王族――エンチャントしているクリーチャーは+1/+1の修整を受け護法 {1}を持つ。
魔術師――エンチャントしているクリーチャーは+1/+1の修整を受け「このクリーチャーが攻撃するたび、占術1を行う。」を持つ。
ひねくれ者――エンチャントしているクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。このオーラが戦場から墓地に置かれたとき、各対戦相手はそれぞれ1点のライフを失う。
若き英雄――エンチャントしているクリーチャーは、「このクリーチャーが攻撃するたび、これのタフネスが3以下である場合、これの上に+1/+1カウンター1個を置く。」を持つ。
聖者(統率者デッキ収録)――エンチャントしているクリーチャーは、あなたがコントロールしているエンチャント1つにつき+1/+1の修整を受ける。
クリーチャー1体に付き役割は各プレイヤーにつき各自で1つしかエンチャントできません。
例えば、あなたは「怪物」と「王族」の役割を同一のクリーチャーに同時にエンチャントすることはできません。新しく付けた役割が優先され、古い方の役割は破棄されます。
特記として、対戦相手にエンチャントされた「呪われし者」とあなたがエンチャントした「怪物」の役割は同一のクリーチャー上で共存します。
表 「役割」を持つカードの分布(scryfall:role)
コモン | アンコモン | レア | 神話レア | |
白 | 5 | 1 | 1 | |
青 | 3 | 2 | 1 | |
黒 | 4 | 2 | 2 | |
赤 | 3 | 3 | 1 | |
緑 | 3 | 1 | ||
多色 | 1 | 1 | ||
無色 |
「役割」を持つカードは白がやや多めに分配されています。
アーキタイプ的には緑白が「役割」を持つアーキタイプとなっていますが、そこそこどの色も「役割」を持つカードを持っています。
「役割」カードといえばこのカラーリングというような役割分担はそこまでされていないように思えます。
協約
「協約」は、呪文を唱えるための追加コストとしてアーティファクトやエンチャントやトークンを生け贄に捧げることができる新たなメカニズムです。
「協約」はアーティファクトやエンチャントやトークンを生け贄に捧げる追加コストを持つ「キッカー」のように考えると分かりやすいかもしれません。
表 「協約」を持つカードの分布(scryfall:bargain)
コモン | アンコモン | レア | 神話レア | |
白 | 2 | |||
青 | 3 | 1 | 1 | |
黒 | 2 | 2 | 1 | |
赤 | 1 | 1 | 1 | |
緑 | 3 | 1 | 1 | |
多色 | ||||
無色 |
「協約」を持つカードはやや枚数が少な目な印象です。
アーキタイプとしては「協約」を成立させるにはカード枚数が足りなさそうですね。シナジーとして活用しましょう。
祝祭
「祝祭」は土地でない2つ以上のパーマネントがあなたのコントロール下で戦場に出たときに効果を発揮する新しいメカニズムです。
表 「祝祭」を持つカードの分布(scryfall:celebration)
コモン | アンコモン | レア | 神話レア | |
白 | 2 | 1 | ||
青 | ||||
黒 | ||||
赤 | 2 | 1 | 2 | |
緑 | ||||
多色 | 1 | |||
無色 |
「祝祭」は赤白に割り当てられた能力です。
「祝祭」を持つクリーチャー自体が戦場に出たときも「祝祭」の条件の1つ分になるところには注意が必要です。
出来事(再録のメカニズム)
「出来事」は旧セットである「エルドレインの王権」初出のメカニズムです。
このカードの場合は《恋に落ちた騎士》を当事者、《獣との婚約》を出来事のように呼びます。
手札にあるときは《恋に落ちた騎士》と《獣との婚約》どちらのモードでも唱えることができます。
出来事として先に唱えた場合は少し特殊な挙動を取ります。《獣との婚約》を唱えた後はこのカードは追放され「進行中の出来事」となります。追放され「進行中の出来事」となったカードは《恋に落ちた騎士》の当事者カードとして唱えることができます。
表 「出来事」を持つカードの分布(scryfall:adventure)
コモン | アンコモン | レア | 神話レア | |
白 | 1 | 1 | 1 | |
青 | 4 | 2 | 1 | 1 |
黒 | 2 | 1 | 1 | |
赤 | 4 | 2 | 1 | |
緑 | 3 | 2 | 1 | 1 |
多色 | 10 | 10 | 2 | |
無色 |
「出来事」を持つカードは黒赤緑に比較的多くなっています。今セットの目玉となるメカニズムなので誤差の範囲かもしれません。
「おとぎ話」カード
「エルドレインの森」には「おとぎ話」というカードが封入されています。「おとぎ話」カードは全63種(神話レア15種、レア30種、アンコモン18種)となっています。
「おとぎ話」カードはスタンダードでは使用できませんが、「エルドレインの森」リミテッドやそれぞれのカードがもともと使用できるフォーマットでは使用可能です。
「おとぎ話」カードは『兄弟戦争』や『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のボーナスシートに似たものですね。それらのエンチャント版というと分かりやすいでしょうか。
「おとぎ話」カードはドラフト・ブースターのコモンのカードに置き換わる形で出現します。
アーキタイプ
各2色の組み合わせはこちら。(公式の記事はこちらから)
各色は取り扱っている能力・テーマのほかに、10個のおとぎ話テーマにアートやコンセプトが基づいています。これらのおとぎ話を感じながらデッキを組んでいくのもまた違った面白みがありますね。
白青:麻痺(雪の女王)
青黒:フェアリー(眠れる森の美女)
黒赤:ネズミ(ハーメルンの笛吹き男)
赤緑:大型クリーチャー(赤ずきん)
緑白:役割(美女と野獣)
白黒:エンチャントと生け贄(白雪姫)
青赤:インスタントとソーサリー(魔法使いの弟子)
黒緑:食物(ヘンゼルとグレーテル)
赤白:祝祭(シンデレラ)
緑青:ランプ( ジャックと豆の木)
それぞれの2色の組み合わせにはアーキタイプの指針となるクリーチャーがサイクルとして存在します。ドラフトで流れてきた場合はある程度シグナル(サイン)とみてよいでしょう。
白青:麻痺(雪の女王)
白青は「麻痺」をテーマにしたアーキタイプです。
アーキタイプの指針となるカードは《麻痺海溝のシャレー/Sharae of Numbing Depths》です。
このクリーチャーはクリーチャーをタップする能力とタップしたことによるメリット能力を持っています。
白青のアーキタイプでは対戦相手のクリーチャーをタップによって排除して攻めていくテンポ・デッキに近いデッキを組むことができるでしょう。
青黒:フェアリー(眠れる森の美女)
白青は「フェアリー」をテーマにしたアーキタイプです。
アーキタイプの指針となるカードは《夢見る決闘者、オビラ/Obyra, Dreaming Duelist》です。
フェアリーの多くは飛行を持ったクリーチャーであり、精鋭で持って対戦相手を倒すコントロールよりのデッキになることが多いでしょう。
黒赤:ネズミ(ハーメルンの笛吹き男)
黒赤は「ネズミ」をテーマにしたアーキタイプです。
アーキタイプの指針となるカードは《大群の笛吹き、トーテンタンズ/Totentanz, Swarm Piper》です。
このクリーチャーは非トークンが死亡時にネズミを生成する能力とネズミに接死を与える能力を持ちます。
これらの並べたネズミは「ブロックできない」の能力を持つので攻撃的な要素が強いです。攻撃できない場合は協約や生け贄のリソースとして利用していくことになります。
赤緑:大型クリーチャー(赤ずきん)
赤緑は「大型クリーチャー」をテーマにしたアーキタイプです。
アーキタイプの指針となるカードは《勇敢な追跡者、ルビー/Ruby, Daring Tracker》です。
このクリーチャーはマナ加速によって後続の大型クリーチャーを唱える手助けになると同時に、パワー4以上のクリーチャーをコントロールしている場合に攻撃すると+2/+2修正を受けられるという、大型クリーチャーと相性のいいカードとなっています。
このように赤緑は「ビートダウン」ができるデッキとなっています。
緑白:役割(美女と野獣)
緑白は「役割」をテーマにしたアーキタイプです。
アーキタイプの指針となるカードは《救世主、アーモント卿/Syr Armont, the Redeemer》です。
このクリーチャーは役割を生成する能力と、オーラがついているクリーチャーのロードとなります。
緑と白はエンチャントと最もシナジーのあるカラーリングで、王族と怪物の役割・トークンで「美女と野獣」のテーマをデザインしています。
白黒:エンチャントと生け贄(白雪姫)
白黒は「エンチャントと生け贄」をテーマにしたアーキタイプです。
アーキタイプの指針となるカードは《悪夢に追われる者、ネヴァ/Neva, Stalked by Nightmares》です。
このクリーチャーは戦場に出たとき墓地のクリーチャーやエンチャントを手札に回収することができます。また、エンチャントが墓地に置かれるたびに+1/+1カウンターが置かれ強化されます。
白と黒は役割・トークンと食物・トークンを生成しやすい色の組み合せになっていて、協約も伴って生け贄シナジーもある複雑なアーキタイプとなっています。
青赤:インスタントとソーサリー(魔法使いの弟子)
青赤は「インスタントとソーサリー」をテーマにしたアーキタイプです。
アーキタイプの指針となるカードは《見習い魔術師、ジョハン/Johann, Apprentice Sorcerer》です。
このクリーチャーはライブラリートップのインスタントやソーサリーを唱えることができるアドバンテージの取れるカードとなっています。
青赤のカラーリングについてはいつも通りのアーキタイプとなりそうですね。
黒緑:食物(ヘンゼルとグレーテル)
黒緑は「食物」をテーマにしたアーキタイプです。
アーキタイプの指針となるカードは《甘歯村の断罪人、グレタ/Greta, Sweettooth Scourge》です。
このクリーチャーは食物の生成と食物の生け贄に関する能力を持っています。
このカラーリングは食物を上手く使う「ミッドレンジ」となっています。
赤白:祝祭(シンデレラ)
赤白は「祝祭」をテーマにしたアーキタイプです。
アーキタイプの指針となるカードは《パーティー破り、アッシュ/Ash, Party Crasher》です。
このクリーチャーは速攻を持ち、祝祭(土地でないパーマネントがあなたのコントロール下で2つ戦場に出る)の能力を持った攻撃的な性能を持っています。
祝祭を活かすために役割を持つカードも多数集めることが必要にもなる攻撃的なアグロのアーキタイプです。
緑青:ランプ( ジャックと豆の木)
緑青は「ランプ」をテーマにしたアーキタイプです。
アーキタイプの指針となるカードは《度胸ある冒険者、トロヤン/Troyan, Gutsy Explorer》です。
このクリーチャーは5マナ以上の呪文のマナ加速をすることができます。ルーティング能力も引きムラが起こると辛いランプデッキにとっては嬉しい能力ですね。
このカードで分かるように「マナ総量5以上」のテーマとなっています。
まとめ
ここまで記事を読んで頂いてありがとうございました。この記事がお役に立ったのであれば幸いです。