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Twitch Rivals が開催!
Twitch主催のBo3スタンダード大会が開かれました。配信者275名(アフィリエイトまたはパートナー)が出場し、賞金総額は$75,000の大規模なものです。禁止改定後最速の大型大会になります。
【#MTGアリーナ eスポーツイベント】#TwitchRivals トーナメントを禁止改定直後の現地時間19日・20日で開催!
— MTGアリーナ日本公式 (@MTGArenaJP) November 13, 2019
Twitchパートナー及びアフィリエイト配信者が参加応募できます
詳細は引用元RTをご確認ください https://t.co/fFggz9Rxwz
Twitch Rivalsの環境について
11/18に《王冠泥棒、オーコ》、《むかしむかし》、《夏の帳》の3枚が禁止カードに指定されました。シミックフードの主力パーツが禁止になったことでシミックフードが大幅に弱体化し、《王冠泥棒、オーコ》に抑えつけられていたデッキが台頭することが予想されました。
禁止指定から日が浅く環境が定まっていないため、旧環境でのアーキタイプがメタゲームの中心になることが予想されます。これは使用するデッキの練習時間が取れないことや、新しいアーキタイプの研究が進んでいないためです。そこでまずは主要なデッキをリストアップしてみます。
- ジェスカイファイアーズ
- サクリファイス系デッキ(《大釜の使い魔》、《魔女のかまど》を採用したもの)
- ゴルガリアドベンチャー
- ティムール再生
- ラクドスナイト
- グルールアドベンチャー
- アゾリウスコントロール
- シミックフラッシュ
細かくデッキを確認していきます。グルールアドベンチャーは《むかしむかし》を失って大きく安定性を欠いています。具体的には1ターン目に《エッジウォールの亭主》をプレイできる確率が大幅に低下し、多色地形に《踏み鳴らされる地》しか採用し辛いデッキ構成のためマナベースの脆弱性が顕在化します。アゾリウスコントロールとシミックフラッシュは《夏の帳》が禁止されたことで追い風であるものの、緑が含まれるデッキの《変容するケラトプス》、青いデッキの《神秘の論争》は健在です。メイン勝率は高くても、サイド後のゲームは厳しいものになるでしょう。
上記のような関係から、「ジェスカイファイアーズ」、「サクリファイス系デッキ」、「ゴルガリアドベンチャー」、「ティムール再生」、「ラクドスナイト」の5つのアーキタイプがメタゲームの中心になることが予想できます。実際のアーキタイプの分布は下記の表のようになっています。
デッキリスト
4:《エッジウォールの亭主/Edgewall Innkeeper》
4:《穢れ沼の騎士/Foulmire Knight》
3:《真夜中の騎士団/Order of Midnight》
4:《楽園のドルイド/Paradise Druid》
4:《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》
2:《真夜中の死神/Midnight Reaper》
4:《残忍な騎士/Murderous Rider》
4:《探索する獣/Questing Beast》
2:《悪ふざけの名人、ランクル/Rankle, Master of Pranks》
Planeswalkers (4)
2:《アーク弓のレインジャー、ビビアン/Vivien, Arkbow Ranger》
1:《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》
1:《呪われた狩人、ガラク/Garruk, Cursed Huntsman》
1:《ロークスワイン城/Castle Locthwain》
3:《寓話の小道/Fabled Passage》
8:《森/Forest》
4:《草むした墓/Overgrown Tomb》
6:《沼/Swamp》
3:《疾病の神殿/Temple of Malady》
Sideboard (15)
4:《強迫/Duress》
2:《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》
2:《軍団の最期/Legion's End》
2:《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon》
2:《変容するケラトプス/Shifting Ceratops》
2:《虐殺少女/Massacre Girl》
1:《戦慄衆の将軍、リリアナ/Liliana, Dreadhorde General》
デッキの構成
今回優勝を収めたデッキは「ゴルガリアドベンチャー」でした。特に3-4ターン目の動きとして《恋煩いの野獣》、《アーク弓のレインジャー、ビビアン》、《探索する獣》によって盤面を作ることができる点が勝ちに繋がっていると考えます。先ほど挙げた5つのアーキタイプにおいては《恋煩いの野獣》と《探索する獣》はブロックや《轟音のクラリオン》によって死亡し辛く、決定力が高いクリーチャーであるためです。
今回は《恋煩いの野獣》、《探索する獣》、《アーク弓のレインジャー、ビビアン》を中心としてデッキを組む場合に、デッキをどのように組んでいくかを考えてみます。
クリーチャーの選択
《恋煩いの野獣》、《探索する獣》をまずデッキに加えます。《恋煩いの野獣》は《アーク弓のレインジャー、ビビアン》と相性が良く、3,4ターン目に続けてプレイするだけで対処不能なパターンもあるほどです。具体的には《時の一掃》のないハンドをキープした「ジェスカイファイアーズ」や「サクリファイス系デッキ」には大きく有利を取れるでしょう。メタゲームの上位になると予想される2つのアーキタイプに有利な動きができる点が優秀です。
《恋煩いの野獣》の恋愛対象兼ドロー源として《エッジウォールの亭主》を採用します。ここでアドベンチャー系デッキを検討します。赤はマナベースに問題があり、青は選択肢が少なく、白は《恋煩いの野獣》、《探索する獣》を攻めの中心とする戦略と軸がずれるため、黒を選択します。
《エッジウォールの亭主》とシナジーがある出来事クリーチャーでプレイアブルなカードを入れていきます。《恋煩いの野獣》ともシナジーのある《穢れ沼の騎士》。除去されやすい《エッジウォールの亭主》を回収する《真夜中の騎士団》。汎用除去として《残忍な騎士》。通常、除去を選択する場合はメタゲームでの仮想敵を決めて選択する必要があります。
緑を含むデッキとしては《むかしむかし》を失ったことで、《エッジウォールの亭主》を安定して出すことが難しくなりました。そこで追加のドロー源として《真夜中の死神》を採用します。
2マナのクリーチャーとしては《アーク弓のレインジャー、ビビアン》の緑トリプルシンボルと《残忍な騎士》の黒ダブルシンボルを両立するために《楽園のドルイド》を採用します。
《穢れ沼の騎士》が単体では弱いスペックであるため、《悪ふざけの名人、ランクル》で生け贄に捧げて有効活用します。
プレインズウォーカーの選択
《アーク弓のレインジャー、ビビアン》はトランプルを持たせて突破力を持たせることに加えてどんなクリーチャーでもフィニッシャーに変えることができます。市川プロのデッキは《アーク弓のレインジャー、ビビアン》を4枚採用した非常に尖ったリストになっています。「ジェスカイファイアーズ」、「サクリファイス系デッキ」には非常に強くでられるため、メタゲームを的確に読んだ結果であると思います。
《世界を揺るがす者、ニッサ》は速攻付きの3/3クリーチャーを毎ターン作ることができます。
デッキ全体で見れば、マナクリーチャーとドロー源の確保ができるため、土地を伸ばすことができるデッキ構成になっています。《呪われた狩人、ガラク》は膠着しやすいミラーマッチ対策として有用です。
サイドボード
《強迫/Duress》:ジェスカイファイアーズ、ティムール再生、シミックフラッシュ
《暗殺者の戦利品》:ジェスカイファイアーズ
《軍団の最期》:ゴルガリアドベンチャー、グルールアドベンチャー
《打ち壊すブロントドン》:ジェスカイファイアーズ
《変容するケラトプス》:アゾリウスコントロール、シミックフラッシュ
《虐殺少女》:横並び系
《戦慄衆の将軍、リリアナ》:横並び系
まとめ
現在の環境とゴルガリアドベンチャーの考察をしてみましたがいかがだったでしょうか。禁止改定前の直前の環境でも《パンくずの道標》を使用した新しいアーキタイプが開発されるなどして興味深いところもありました。《王冠泥棒、オーコ》が禁止された今の環境ではエンチャント以外にも、クリーチャー、アーティファクトを活躍させるデッキが台頭してくることが楽しみですね!