この記事では2022/9/10~11に行われた「ジャパンオープン2022」の環境分析と優勝デッキの考察を行っていきます。
この記事の目次
ジャパンオープン2022開催!
参加者687名が出場する大規模なMTGアリーナの大会「ジャパンオープン2022」が行われました。2022/9/2に「団結のドミナリア」がリリースされてから初めての大型大会となります。
「ジャパンオープン2022」はデッキリスト公開制の大会で、1日目スイスラウンド9回戦、2日目が初日TOP64名によるシングルエリミネーションで勝敗を争います。今回の大会では参加費が無料ということもあり、半分以上の方が初めて競技大会に参加したというアンケート結果になったそうです。様々な遊び方を提案して間口を広げることができるよい大会になったと思います。
https://twitter.com/MTGArenaJP/status/1568917951465799681?s=20&t=hbcyBNDdd9iRFFZrqgWO-w
参加者687名の大会を制し、優勝を果たしたのはエスパーミッドレンジを使用した卯月 祐至選手でした!おめでとうございます!
ジャパンオープンの環境について
「団結のドミナリア」が2022/9/2に実装されたことでスタンダードではローテションが行われました。
出典-mtg-jp
「団結のドミナリア」がスタンダードに追加され下記の4つのエキスパンションがローテーション落ちしました。
- 「ゼンディカーの夜明け」
- 「カルドハイム」
- 「ストリクスヘイヴン:魔法学院」
- 「フォーゴトン・レルム探訪」
このローテショーンによって、既存のデッキは弱体化・解体されて新しいアーキタイプの開発が期待されます。今回の「ジャパンオープン2022」は「団結のドミナリア」が実装されて1週間と間もないということで、様々なカードを採用したデッキが現れることでしょう。
メタゲームの分析
1日目のメタゲームブレイクダウンはこちら。
グリクシスミッドレンジが最多となりました。続いてラクドスミッドレンジ、ジャンドミッドレンジ、エスパーミッドレンジが続いています。
直近の9/4に開催された蒼紅杯でグリクシスミッドレンジが優勝していることにも影響を受け、グリクシスミッドレンジが人気のアーキタイプとなりました。
2日目のメタゲームブレイクダウンはこちら
2日目はエスパーミッドレンジが最多で、グリクシスミッドレンジ、黒単アグロ、ジャンドミッドレンジが続く形となっています。
エスパーミッドレンジは総数は少なかったものの、2日目進出率が高い勝ち組のアーキタイプとなりました。
環境デッキの考察
ここでは好成績を残したデッキリストを参考に考察していきます。
エスパーミッドレンジ
「ジャパンオープン2022」の優勝はエスパーミッドレンジでした。
出典:mtgmelee
「団結のドミナリア」に収録された《夜明けの空、猗旺》をマナカーブの頂点に据えたミッドレンジデッキになっています。優勝したデッキリストでは《ファイレクシアの宣教師》、《邪悪を打ち砕く》の2種類が特徴的なリストになっています。リスト全体を見てみると2マナ域が厚めに採用されていて、高マナ域のカードは少ない印象を受けます。
《ファイレクシアの宣教師》はキッカーでクリーチャーを墓地から回収することもでき、マナフラッド受けに一役買っています。また、現環境では《黙示録、シェオルドレッド》のライフルーズ、《絶望招来》のライフルーズ、《食肉鉤虐殺事件》のライフルーズやペインランドのようなコンバット以外でダメージを失う機会が多いため、気付かぬ内にライフが減少していることが多々あります。《ファイレクシアの宣教師》は絆魂を持っているため、ライフレースを制しやすく環境にマッチしていると言えるでしょう。《ファイレクシアの宣教師》が2枚揃うと毎ターンチャンプブロックすることもできるため粘り強い名脇役となるカードです。
《邪悪を打ち砕く》は「団結のドミナリア」に収録された、エンチャントorタフネス4以上のクリーチャーを破壊するスペルです。このような条件のあるカードはサイドボードに採用されるのが一般的ですが、優勝したデッキリストではメインデッキに4枚採用されています。エスパーミッドレンジの《婚礼の発表》、グリクシスミッドレンジの《鏡割りの寓話》、《穢れたもの、ソルカナー》、黒単ミッドレンジの《黙示録、シェオルドレッド》など、トップメタのデッキにはどれも《邪悪を打ち砕く》が有効なカードが入っているので、着眼点の素晴らしい採用だと感じます。
《夜明けの空、猗旺》も発売前ですが8/29のラッシュメディアにも取り上げられており、死亡誘発時の強さがピックアップされていました。9/4のStandardChallengeで優勝したエスパーミッドレンジにも採用されているクリーチャーです。《消失の詩句》のような追放除去がローテーション落ちしたため活躍が期待されていたクリーチャーになっています。
グリクシスミッドレンジ
1日目のメタゲームブレイクダウンで最多となっているのはグリクシスミッドレンジです。
出典:mtgmelee
こちらは《穢れたもの、ソルカナー》をマナカーブの頂点にしたグリクシスミッドレンジです。クリーチャー、除去、カウンターとどれも優秀なので安定性の高いデッキとなっています。また、《税血の収穫者》、《鏡割りの寓話》が採用されていることで、マナスクリュー、マナフラッドに強い構成になっています。
《穢れたもの、ソルカナー》は新しく「団結のドミナリア」で収録されたカードです。5/5という大きなスタッツを持っており、終了ステップに能力が誘発するクリーチャーです。特に戦場に出たときに3点のダメージを与える能力が盤面に干渉できるため強いです。能力を使い切ると相手側に渡ってしまいますが、《復活したアーテイ》の能力で打ち消すことができるシナジーをデッキに取り入れています。
ジャンドミッドレンジ
続いては1日目3番手のデッキ数となったジャンドミッドレンジです。
出典:mtgmelee
ジャンドミッドレンジは《ギックスの残虐》で《産業のタイタン》を釣り上げるリアニメイトデッキの側面も併せ持つミッドレンジデッキになっています。
《ギックスの残虐》はアグロ相手には先読みでⅢ章から《産業のタイタン》を戦場に戻し、ミッドレンジ相手にはⅠ章からスタートしてアドバンテージを稼ぐような使い方になります。
《ギックスの残虐》と《産業のタイタン》が採用されていることでやや大ぶりなデッキとなっており、打ち消しに弱いとところがあります。
黒単ミッドレンジ
準優勝を果たしたのは黒単ミッドレンジでした。
出典:mtgmelee
黒単は単色ながら高いカードパワーの高い呪文を採用したミッドレンジのデッキです。《絶望招来》を最も使いやすいアーキタイプです。《不笑のソリン》、《絶望招来》、《勢団の銀行破り》、《しつこい負け犬》のおかげでリソースが尽きることなくロングゲームを戦うこともできます。単色デッキのため、ダメランでダメージを受けることもないので《しつこい負け犬》の奇襲コストにライフを支払いやすいようになっています。
《黙示録、シェオルドレッド》も強力で対処されなければ勝利に繋がります。除去必須なクリーチャーなので4枚積みされています。
メタゲームの勝率
今回の大会で優勝を果たしたエスパーミッドレンジですが、グリクシスミッドレンジ、ジャンドミッドレンジ、黒単アグロに高い勝率が出ています。アーキタイプとして強いデッキに仕上がっていたようです。
最多となっていたグリクシスミッドレンジですが、エスパーミッドレンジとジャンドミッドレンジに不利が付く形となっており、デッキ選択においてはベストではなかったかもしれません。
まとめ
この記事では「ジャパンオープン2022」の環境を考察しました。
グリクシスミッドレンジが多い環境の中で、エスパーミッドレンジが勝ち上がる面白い結果となりましたね。
最後までお読みいただきありがとうございました。